「廃棄物」ってなに?

「廃棄物」とは要するに「ごみ」のことですが、「廃棄物」=「ごみ」の定義は実はむつかしいところがあります。たまにニュースで見たり聞いたりする各地にあるごみ屋敷の問題を考えると、人によってなにを「ごみ」と感じるかが異なることはよくわかります。

一般に価値のない物を「ごみ」と言っていいと思いますが、法律上も、物には価値のある物=「有価物(ユウカブツ)」と価値のない物=廃棄物に分かれるとされていて、この価値のない物を「廃棄物」と言います。言い方をかえますと「廃棄物」とは「価値のない物」「売れない物」のことです。

この価値があるかないかという判断は人によって異なるところが大きいのでよく争われることになります。ごみ屋敷の住人は周囲の人はごみだと思う物を価値のある物として保管し続けるわけです。判例(「裁判所の判断」を文章にしたものです。つまり裁判官の考え方が文章になったもののことです。)は、有価物か廃棄物かの判断は占有者(その物を使っている人のことです)の意思や物の性状などを総合的に考えて判断する、としています。これを文字通りに読めば、物が排出された時点での客観的な状態だけでごみかどうかを判断できるわけではない、ということになり大変にわかりにくいことになりますが、実は判例も実際の結論は、占有者の意思よりも物の客観的な性状に重点をおいて経済的な価値の有無を判断していると言われています。

産業廃棄物処理法の適用される廃棄物は、上述の意味での「廃棄物」であって、さらに同法その他があらかじめ定めている20種類のものに入るものを言います。代表的なものとしては、ペットボトルのような廃プラスティック類、紙くず、繊維くず、金属くず等を言います。このように廃棄物の定義には人の内心の意思がどうであるかという側面も入る、さらに法令があらかじめ定めている物か否かによる、しかも法令はかなり頻繁に改正されていく、ということになります。廃棄物に当たるか否かの判断は実際にかなりむつかしいものが多いです。そんなときはぜひご相談ください。

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