どれにしよう?―会社の種類

現在の日本には5種類の形態の会社が存在しています。

  1. 株式会社
  2. 合同会社
  3. 合資会社
  4. 合名会社
  5. 有限会社

の5つです。このうち、有限会社は平成18年に施行された新会社法の施行後には新たに設立することはできなくなりました。したがってこれから設立できるのは1~4までの会社です。多くのお客様は株式会社か合同会社を選択されます。株式会社にするか、合同会社にするか、それぞれのメリット、デメリットを考えて選択しましょう。

そこで以下に両者の比較をしてみます。

  1. 費用→合同会社の方が14万円安い。
    株式会社は、登録免許税15万円+公証人手数料5万円=計20万円が必要になります。
    合同会社は、登録免許税の6万円のみでよいです。
  2. 世間の認知度→見た目を取るなら株式会社。
    世間の認知度は圧倒的に株式会社の方が高いです。合同会社は平成18年からスタートした新しい会社です。世間の認知度はまだまだ低いです。したがって、見た目や聞こえを重視したい場合は株式会社です。しかし、そんなことは気にしないということならば合同会社でも実質的なちがいはありません。税制上の違いもありません。 例えば、経費として認められる支出の範囲もかわりません。純粋に外見の問題になります。
  3. 運営のしやすさ→あまりかわらない。やや合同会社の方が簡易です。
    会社の事務作業の量は、若干、合同会社の方が作業量が少ないといえます。例えば、次のような点で異なります。

      • 決算公告・・・株式会社の場合、決算が終了するごとに官報等に決算を公告することが義務付けられています。掲載に当たっては手数料がかかります。これに対して、合同会社の場合には決算公告は義務付けられていません。
      • 役員の任期・・・株式会社の場合、取締役や監査役等の役員には任期があります。最大10年です。任期満了時には、同じ人が再び役員になる場合にも改めて法務局での投機が必要です。この費用がかかります。合同会社の場合には、役員に任期がありませんので、その人が退任するまで手続きの必要はありません。
  4. 役員の名称→株式会社は代表取締役、合同会社は代表社員です=代表者なのに「社員」は心理的抵抗ありますね。
    合同会社の場合、法的には代表者は「代表社員」ですが、名刺等には「代表者」と記載されている方が多いようです。
  5. 【結論】あまりに少額の資本金でない以上は株式会社にしておくのが無難だろうと思います。代表取締役ひとりで設立した会社であったとしても、株式会社の名称は対外的に信用があります。株式会社としか取引できないというような内部規定をもっている会社もあります。できれば資本金の額を大きくして(できれ1000万円程度。※ただし、資本金を1000万円としますと、会社設立後2年間、消費税を納めなくてよいという優遇措置は受けられなくなります。)、株式会社を選択しておくというのが現時点での無難な選択です。なお、現在すでに有限会社となっている会社は、むしろ有限会社のままにしておく方が、一見して古くから続いている会社であることがわかりますので信用を得られるという面があります。使い慣れた名称をそのまま使用する方がよいように思います。また、飲食業のように会社名を世間に対して表示することがあまりない業種においては実質的に全くどちらでもよいということになります。飲食業界においては、みな様がよくご存じの全国的に有名なチェーン店でも会社名は知られていないということは普通のことです。こういう場合は会社運営のしやすさを取る方がよいように思います。

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