健康保険等の加入状況(様式第七号の三)

株式会社をはじめ「法人」である企業の場合、強制的に厚生年金保険の適用事業所となります。事業主おひとりでやられている場合を含みます。

一方、法人ではない個人事業所の場合は少々事情が変わります。法人化されていない事業所は、その業種と従業員の人数によって、強制的に健康保険と厚生年金保険の適用事業所となるか、あるいは「任意適用事業所」となるかが決まります。

まず以下の業種の事業所の場合は、従業員の人数にかかわらず任意適用事業所となり、健康保険と厚生年金保険に加入するか、国民健康保険と国民年金に加入するかを選択できます。どちらにも加入しないという選択はできません。

・農林水産業
・飲食業
・旅館などの宿泊所
・美容室や浴場などの個人サービス業
・映画などの娯楽業
・法律事務所などのサービス業

一方、上記以外の業種で「常時5人以上の従業員」を使用している事業所は、法人と同様、健康保険と厚生年金保険の適用事業所となります。

つまり、建設業者の場合、「常時5人以上の従業員」を使用している事業所は、健康保険と厚生年金保険の適用事業所となります。そして、この場合の従業員には経営者ご自身も含まれますので、ご自分を除いて4人以上の従業員がいれば適用事業所となるということです。

なおここまでの説明で「健康保険と厚生年金保険」という表現を使ってきましたが、この2つはかつて「社会保険庁」という役所が一体的に取り扱っていました。不祥事で社会保険庁が解体され、現在は健康保険と厚生年金保険の取扱い機関はそれぞれ「全国健康保険協会(協会けんぽ)」と「日本年金機構」に分かれています。

ただしどちらの加入手続きも、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」という書類を作成して一括して年金事務所に提出する仕組みになっており、「どちらかだけに加入する」ということはできません。

雇用保険に関しては、従業員の名称がパートであるかアルバイトであるかというようなことにかかわらず、一週間の労働時間が20時間を超えるとき、31日以上の雇用見込があるときには雇用保険に加入して、従業員を被保険者とする必要があります。なお、親族については、同居・別居にかかわらず雇用保険には入れません。つまり適用除外となります。以上は厚生労働省(厚労省)の見解ですが、実は適用除外について、どこの都道府県においても同居の親族についてのみ適用除外という扱いをしています。国交省及び都道府県の方が厚労省よりも労働者の保護という観点から適用除外を絞っているということですが、このことによって建設業許可を取得できないケースが生じた場合に建設業者から争う余地があるとは思っています。現実問題としては、99%の申請者が争うよりも許可取得に向けて対応することを選択するでしょうから争う機会は今後もないとは思いますが。

なお、書式第七号の三におきまして、現在、適用除外は「3」ではなく「2」となっていますのでご注意ください。

健康保険、厚生年金保険、雇用保険の3つの社会保険の加入状況についての書類である様式第七号の三について説明しました。

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